フランスの階の名称
「rez-de-chaussée」 レ・ドゥ・ショッセ「地上階」
以前の記事でフランスの「階の数え方」について考えました。
今回はフランスの「階の名称」について考えたいと思います。前の記事でも「フランスと日本では階数の数え方が一段ずれる」ということを考えました。(例えば日本での「2階」はフランス式に数えると「1階」になります。)
では日本で言う「1階」はフランスでは何階になるのでしょう?
答えは「0階」です。
フランス語では「0階」のことを「rez-de-chaussée」 レ・ドゥ・ショッセ「地上階」と言います。この数え方の違いは慣れないと結構ややこしいです。

ところで余談ですが、みなさん「世紀の数え方」ってややこしいと思いませんか?
西暦1年から100年までを1世紀、西暦101年から200年を2世紀と数えます。なので例えば西暦1601年は17世紀になります。感覚的に1ずつずれる形になるのでなんだか分かりにくいんですよね。
「西暦1年から99年を0世紀、西暦100年~199年を1世紀にしてくれたら分かりやすいのになぁ」といつも思います。でもその考え方って「0階」を入れるフランス式の階の数え方に近いんですよね。
世の中考えてみると「0」を入れる数え方と入れない数え方が結構混ざっていますね。
少し脱線しましたがこの「rez-de-chaussée」 レ・ドゥ・ショッセ「地上階」という単語、分解すると「rez」と「de」と「chaussée」に分けられます。
de ドゥ は「~の」を意味する前置詞で「chaussée」 ショッセ は「車道」という意味の女性名詞です。
では「rez」レ は何かというと、古いフランス語で現在は単体では使われていません。イメージとしては「地面や高さを意味する語」になります。(「短く刈った」とか「平らな」「すり切りの」といった意味を持つ形容詞 「ras」 ラ /「rase」 ラズ の古い表現だそうです。)
つまり「rez-de-chaussée」 レ・ドゥ・ショッセは直訳で「車道と同じ高さ」というような意味になります。

ちなみに「rez-de-chaussée」 レ・ドゥ・ショッセはエレベーターとかだと「RDC」とか「RC」と略して表記されることもあるのでご注意ください。
「rez-de-chaussée」 レ・ドゥ・ジャルダン 「庭に続く階」
他に「rez」レ を使った単語として「rez-de-jardin」 レ・ドゥ・ジャルダン と言う言葉があります。
意味は「庭に続く階」という意味です。

「jardin」 ジャルダンは「庭」を意味する男性名詞です。ですからこの単語は直訳で「庭と同じ高さ」というような意味になります。「ん?庭と同じ高さってそれは地上階ってことじゃない?」と思われたかもしれません。でも必ずしもそうではなく例えば斜面に建っている家とかだと車道と中庭で地面の高さが違う場合もあります。
下のイラストみたいな感じだと「rez-de-jardin」 レ・ドゥ・ジャルダン は地下1階になりますね。

「sous-sol」 ス・ソル 「地下」
今「地下1階」と言いましたが、「地下」はフランス語で「sous-sol」 ス・ソル と言います。
分解すると「sous」と「sol」で分かれますがsous ス は「~の下に」を意味する前置詞で、「sol」 ソル は「地面」とか「床」という意味の男性名詞です。なので直訳で「地面の下」になりそのままの意味ですね。
ちなみに地上の階に関してはフランス式と日本式で数え方が1階ずつずれますが、地下に関してはずれません。日本式の「地下2階」はフランスでも「地下2階」になります。
「なんで地下の場合はずれないんだろう?」と疑問に思うかもしれませんが、以前の記事でも考えたようにフランスの階の数え方は「自分が乗っている床の階」に注目しているからだと思います。
(例えば下のイラストのように「地下1階」は「地下1階の床の上」に乗っていますね。)

「dernier étage」 デルニエ・エタージュ 「最上階」
さて階の呼び方がですが「1階」「2階」「3階」は順番に「premier étage」プルミエ・エタージュ、「deuxième étage」ドゥジエム・エタージュ、「troisième étage」トロワジエム・エタージュ というように「階」という意味の男性名詞「étage」の前に序数詞をつけて表します。(序数詞とは「○番目」というように順番を表現するときに使う言葉です。)
では一番上の階「最上階」は何と言うのでしょう?
答えは「dernier étage」デルニエ・エタージュ です。「dernier」デルニエ は「最後の」を意味する形容詞です。
フランス語では「最上階」は「一番上の階」ではなくて「最後の階」と表現するのが一般的なんですね。
ちなみにこの「dernier」デルニエ という表現は「最新」という意味でもよく使われるので使い方に注意しましょう。
例)「dernier modèle」デルニエ・モデル で「最新型」という意味ですが、「最後に出た型→最新型」という考え方ですね。



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