コロッケの由来はフランス語
「croquette」 クロケット
日本で大人気のお惣菜のひとつ「コロッケ」。
寒い日に揚げたてのコロッケを食べると幸せな気分になりますね。ベーシックなジャガイモだけでなく野菜コロッケ、カレーコロッケ、クリームコロッケなど色んな種類があります。
さてこのコロッケ、フランスのある料理をヒントに明治時代ごろに生まれました。
そのフランスの料理の名前は「クロケット」。フランス語では「croquette」 クロケットゥと書きます。コロッケに似たカリカリした揚げ物で、中身はじゃがいもや肉、魚、野菜などさまざまです。一般的にベシャメルソースと混ぜて作られているのでクリームコロッケのようななめらかな食感が楽します。
では「croquette」 クロケットゥという名前にはどんな意味があるのでしょうか?
「croquette」 クロケットゥは croquer クロケという動詞に「~ette」エットゥという小さいものを表す接尾辞をつけたものです。croquer クロケは「カリカリと音を立ててかじる」という意味の動詞なので「小さいカリカリしたやつ」というイメージでしょうか。
ただコロッケ発祥の国なのにフランス本土の料理は意外と揚げ物は少ないです。(実はこのcroquette クロケットゥも油で揚げるよりオーブンで調理されることが多いそうです。)
日本は天ぷらやトンカツ、フライなど揚げ物がいっぱいあるのに対して、フランスの揚げ物はあまり思いうかびません。強いて言うなら「frite」フリットゥ「フライドポテト」ですがフランス料理かと言われるとうーん…しっくりこないかな。フライドポテトの起源はベルギーと言われていますし。
とはいえフランスにはカリカリ好きな人がたくさんいるイメージです。
フランスパンはカリカリした食感が人気ですし、クロワッサンみたいな菓子パンもパイ生地っぽいサクサク食感が好まれています。
「croquant」クロカン
では他にも動詞「croquer」 クロケに関係する食べ物はあるのでしょうか?
「カリカリした」という意味の形容詞はcroquant クロカン(女性形はcroquante クロカントゥ)と言います。
「croquer」クロケの現在分詞形と同じ形です。
この「croquant」を男性名詞として扱うと「croquant」クロカンというお菓子を表します。アーモンドとキャラメルを使ったカリカリしたお菓子です。

「croquembouche」クロカンブシュ
他にもクロカンブッシュというスイーツを聞いたことがあるかと思います。
小さなシュークリームを飴などで固めてたくさん積み上げたお菓子でフランス語だと「croquembouche」クロカンブシュと書きます。一般的にパーティーやお祝い事のときに食べられるお菓子です。
一単語ですが分けるとしたら croque + em(en) + bouche と分けられるでしょうか。en アン は「~で」を表す前置詞、bouche ブーシュは「口」という意味の女性名詞です。
イメージ的には「口の中でカリカリする」という感じです。

「croque-mousieur」クロックムッシュと「croque-madame」クロックマダム
他に有名な料理で言えば「croque-monsieur」クロックムッシュと「croque-madame」クロックマダムです。
「monsieur」 ムッシュは男性につける敬称で「madame」マダムは女性につける敬称です。
「croque-monsieur」クロックムッシュはハムとチーズをはさんだサンドイッチをカリっと焼いたものですが、「croque-madame」クロックマダムはそれに目玉焼きを乗せたものです。フランスではカフェなどでよく注文される人気料理です。
(関係ないですが「croque-madame」クロックマダムって男性名詞なんですね。)
フランス語になじみがない方はカタカナ語の「クロック(時計)」をイメージしてしまうかもしれませんが英語ではなくフランス語なのでお間違えなく。…と言ってもフランス語でもどうしてこの名前なのかはよく意味は分かりませんが(笑)。「紳士(婦人)がカリカリ音を立てて食べる料理」というイメージなのでしょうか?


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