水道の蛇口の「C」と「F」
水道でひとつの蛇口にハンドルが二つある場合、大体片方がお湯、片方が水ですね。赤とか青とかで色分けしてくれていると分かりやすいですが、アルファベットだけが書かれていることもあります。
日本だと英語で「HOT」の「H」と「COLD」の「C」が書かれていることが多いと思いますが、フランスでは大体「C」と「F」が書かれます。
この「C」と「F」はどっちが水なのでしょう?「え?そりゃ「C」が水でしょ?COLDの「C」でしょ?」と思うかもしれません。
でもフランス語では「C」は「温かい」を意味する形容詞、chaud ショ(女性形はchaude ショードゥ )の「C」です。そして「F」は「冷たい」を意味する形容詞、froid フロワ(女性形はfroide フロワッドゥ )の「F」です。
つまり「C」という略号は英語とフランス語で逆の意味になるわけです。ややこしいですね。
フランスでお手洗いに行くときはお湯と水を間違えないように気をつけましょう。

トランプの「R」「D」「V」
水道以外で英語と違う略号と言うとトランプの絵札が思い浮かびます。
フランス語ではトランプのことを「cartes à jouer」カルトゥ・ア・ジュエ と呼びます。
carte カルトゥは「カード」、jouer ジュエ は「遊ぶ」という意味です。直訳で「遊ぶためのカード」になるのでだいぶストレートな名前ですね。
日本では絵札に「KING」の「K」、「QUEEN」の「Q」、「JACK」の「J」のアルファベットが書かれていますが、フランスのトランプでは別のアルファベットが書かれています。
roi ロワの「R」、dame ダムの「D」、valet ヴァレの「V」です。それぞれどういう意味なんでしょう?
roi ロワ
まず「R」のroi ロワ ですが、この単語の意味は単純に「王」です。「キング」をフランス語にしただけですね。
dame ダム
では「D」のdame ダム は何でしょう?前回の記事でも考えましたがこれはmadame マダム の dame ダムです。
dame ダム は「女性」や「婦人」の他に、昔の貴族の「奥方」や「姫」という意味もあります。なのでこれも「クイーン」と似たような意味なのですが実はフランス語にはもっとよく使われる「王妃」を表す単語があります。
reine レーヌ という単語が「女王」や「王妃」という意味でよく使われます。なぜドランプのクイーンはこっちの単語ではないのでしょう?reine レーヌ の頭文字の「R」を使っても何も問題がないように思…
あ!「R」にしたら roi ロワの「R」とかぶってしまいますね。。。
valet ヴァレ
最後に「V」のvalet ヴァレ です。そもそもトランプの「ジャック」って何なんでしょう?
英語の「JACK」には「召使」や「労働者」という意味があります。「え?トランプの絵の感じだと結構偉い人みたいな感じだけど召使なの?」と不思議に思うかもしれませんが「ジャック」の意味には色々な説があり、騎士などを表しているとも言われています。うーん「王」や「王女」に比べてなんだかはっきりしませんね。
ではフランス語のvalet ヴァレ はどういう意味かと言うと「召使」や「使用人」「従僕」という意味です。フランスのvalet ヴァレ もroi ロワ やdame ダム に比べるとなかなか苦労人のようですね。
(絵札の絵としては伝説上の人物ランスロットなどの騎士が描かれていることも多いようです。)
ところでフランス語で「RDV」と書くと「会う約束」とか「アポイントメント」という意味の「rendez-vous 」ランデヴーの略になります。
Roi Dame Valet の略ではないのでお間違えなく(笑)
(「rendez-vous 」ランデヴーについてはこの記事に詳しく書いています。)
ちなみにフランス版トランプでエースはどうなっているかと言うと「エース」とか「第一人者」という意味があるas アス の「A」と書かれていることもありますが、単純に数字で「1」と書かれていることもあります。

というわけでトランプのフランス語バージョンについて考えました。
わたしもフランス版のトランプで遊んだことがありますがその時は日本版と違うことを知らなかったためどれがどれか分からずずっと混乱してました。
フランス版のトランプで遊ぶときは間違えないようにお気をつけて。
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