pain traditionnel パン・トラディシヨネル
フランスと言えばパンの国。街を少し歩くだけですぐにパン屋が見つかります。
さてみなさん、歩いている人が紙袋を持っていて、そこから細長い棒状のパンがにょっきり出ています。このパンはいったい何でしょう?
「もちろんフランスパン!」確かに日本ではあの棒状のパンをフランスパンと呼ぶことが多いですね。でもフランスではあのパンをフランスパンとは呼びません。何と言うでしょう?
「知ってるよ、baguette バゲットゥ でしょ」
おおー正解!…かもしれません。なぜならあの細長い棒状のパンには何種類もあるからです。
今回は意外と知らないあの棒状のパンの種類を考えてみましょう。
今回考えるのはficelle フィセル、flûte フリュートゥ、baguette バゲットゥ、bâtard バタール、parisien パリジャン、deux livres ドゥ―・リーヴルです。
これらのパンはpain traditionnel パン・トラディシヨネル「伝統的なパン」と呼ばれています。
それぞれどう違うんでしょうか?
分かりやすい違いは「大きさ」です。太さと長さが違います。
pain traditionnel パン・トラディシヨネル は外側はカリカリしていて、内側はふんわりもっちりしています。なのでカリカリを重視するなら皮の比率の大きい「細いもの」を、もっちりを重視するなら内側の比率の大きい「太いもの」を選ぶと良いでしょう。
ではカリカリ感の強い物から順番に紹介していきますね。
ficelle フィセル
まずはficelle フィセル。ficelle フィセル と言う単語はフランス語で「ひも」の意味という意味です。名前の通り細長いパンです。目安ですが長さが30~40cm、重量が150gぐらいです。かなりカリカリです。
flûte フリュートゥ
flûte フリュートゥ の意味はそのままで「フルート」です。
フルートと聞くと細いパンをイメージするかもしれません。実際パリではflûte フリュートゥは baguette バゲットよりも細いパンです。(flûte フリュートゥは200g、baguette バゲットは250gと言われています。)
しかしflûte フリュートゥの大きさには地域差があり、地域によってはflûte フリュートゥの方がbaguette バゲットゥよりも太い場合もあります。このパンの大きさの規定についてはフランスでももめているようです…

baguette バゲットゥ
ここでbaguette バゲットゥの登場ですね。baguette バゲットゥ は「細い棒」とか「杖」という意味があります。
一番有名ですが比較的細いパンになります。目安は長さ65cm、重量は250gぐらいです。
bâtard バタール
bâtard バタールには「中間」という意味があります。bâtard バタールは40cmくらいでbaguette バゲットゥより短いですが、baguette バゲットゥより太いパンです。
parisien パリジャン
parisien パリジャンの意味は皆さんご存じですね。「パリっ子」という意味です。このパンはその名の通りパリが発祥だと言われています。
パンとしてはbaguette バゲットゥよりちょっと短くて太い感じです。サンドイッチにもよく使われ、ハムとバターをはさんだサンドイッチjambon-beurre ジャンボン・ブール のことも別名「parisien パリジャン」と呼びます。

deux livres ドゥー・リーヴル
deux livres ドゥー・リーヴルの「livre」リーヴル は男性名詞だと「本」の意味がありますが、女性名詞だと「500g」という意味があります。(詳しくはこちらの記事をご覧ください。)deux ドゥ―は「2」という意味なので「2×500g=1kg」という意味です。
名前の通り大きなパンですが実際は1kgもないそうです。理由としては「もともと1リーヴルは500gもなかった」とか「昔は1kgあったが徐々に減らしていった」など諸説あるようです。
カリカリ派?もっちり派?
どうだったでしょうか?みなさんはカリカリ派ですか?それとももっちり派?

主観ですがフランスでは歯ごたえのあるカリカリ感の強いパンや、クロワッサンのようなサクサク生地が人気のような気がします。逆に日本ではもちもち感の強いパンが好まれているのではないでしょうか。
日本人がもちもち好きなのには何か理由があるのかな?と考えましたが、ひょっとしたら日本では昔からお米やおもちをよく食べてきたことも関係あるかもしれませんね。やっぱり主食やデザートには同じようにもちもちしたものを求めてしまうのでしょうか?
どっち派にしてもフランスでパンを買うことがあったら、お家や公園の芝生でチーズやハムやオリーブオイルと一緒にお楽しみください。
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