複数の単語を組み合わせたフランス語
ポトフ
フランスは美食の国です。パン、ワイン、ハム、チーズ…美味しいものがいっぱいです。ではフランス料理と言えばどんなものがうかびますか?エスカルゴ?ブイヤベース?ブッフブルギニョン?フランス料理と言えばレストランの高級コース料理のイメージが強いかもしれませんが家庭料理も美味しいですよ。
家庭料理の代表格と言えば「ポトフ」。お肉と野菜がたっぷりで寒い冬に食べると幸せな気持ちになれます。さてこの「ポトフ」、1単語かと思ったら実は3単語から成り立っているんです。フランス語だと「pot-au-feu」と書きます。
pot ポ は「壺」とか「鍋」といった意味があり、au オ は「~へ」を意味する前置詞、feu フー は「火」。つまり直訳すると「火にかけた鍋」という名前なんですね。
まあ正確には3つの単語を「-」でつなげているので1単語扱いになっていますが、構成としては3単語から成っています。(こういった複数の単語を組み合わせた単語を複合語と言います。)
なのでイメージ的には「ポトフ」よりも「ポ・ト・フ」っていう感じですかね。(細かいことを言うと「pot」ポ の最後の「t」と「au」オ がくっついて「ト」になっているのでカタカナでは分けづらいのですが…)
そういえば「流行の」という意味の「à la mode」とかは「ア・ラ・モード」と切って書かれることも多いですね。こちらは「-」で繋がっていないので複合語ではなく完全に3単語です。
他にもこんな単語がたくさんあるので今回はクイズにしてみました。それらの単語がどこで切れるか予想してみましょう。
グランプリ
では第1問、「グランプリ」、「大賞」という意味です。
さて「グランプリ」はどこで切るでしょうか?

答えは「Grand prix」なので「グラン・プリ」です。これは比較的分かりやすかったかもしれませんね。grand グランは「大きい」という意味の形容詞、prix プリは「値段、賞」などの意味がある男性名詞。なのでそのまま「大きな賞」→「大賞」になります。
デジャヴュ
第2問は「デジャヴュ」。これも日本でよく聞く単語ですね。「なんだか前にも見た気がするなぁ」というような「既視感」を意味する言葉です。「デジャブ」と書かれることもありますが、発音をカタカナ化する際の表記ゆれですね。さてこの「デジャヴュ」どこで切るのでしょうか?

答えは「déjà-vu」なので「デジャ・ヴュ」です。déjà デジャは「もう、すでに」という意味の副詞でvu ヴュは「見ること」を表す男性名詞です。(動詞voir ヴォワールの過去分詞形でもあります)
「すでに見たもの」という意味になります。
ちなみにdéjà-vu デジャ・ヴュの逆は「jamais vu」 ジャメ・ヴュ。jamais ジャメは「一度も~ない」という意味なので「一度も見たことがないこと」→「前代未聞」という意味になります。
クーデター
第3問は「クーデター」。意味は「武力などによって非合法に政権を奪うこと」。意味自体も難しいのですがカタカナで切るところの判断も難しい気がします…どういうことかは詳しくは後述します。

答えは「coup d’État」なので「クー・デタ」になります。正確に言うと「d’」は「de」の省略形なので「coup」「d’」「État」の3つに分かれます。カタカナだとどこで切ることになるのか判断しづらいですが…「d’」は「État」にくっついて発音されるので切るとしたらやっぱり2つに分けて「クー・デタ」でしょうね。「coup」 クーは「打撃」とか「一撃」みたいな意味で「d’」は「~の」を意味する前置詞「de」の省略形、「État」エタは「国家」。つまり「国家の一撃」になります。クーデターは「国家に与えられた一撃」ということなんですね。
オードブル
第4問は「オードブル」。コースの料理の「前菜」です。「アントレ」も前菜という意味なのでどう違うの?という方もいるかもしれませんが、この辺はまた今度書きたいと思います。さあ、どこで切るのでしょうか?

答えは「hors-d’œuvre」オー・ドゥヴルとなるので「オー・ドブル」です(ここでも「d’」がありますが…)。
「hors」オールが「~の外に」とか「~をはずれた」という意味の前置詞。「d’」は「~の」、「œuvre」ウーヴルは「作品」など。直訳すると「作品の外」になります。
昔はオードブルはコース料理の一部ではなく、独立して置かれていたようです。なのでコース料理の外ということでオードブルと呼ばれていたのでしょう。
ボンジュール
第5問、最終問題です。「おはよう」や「こんにちは」の意味を持つ言葉「ボンジュール」、英語でいうGood morning グッドモーニングですね。さてどこで切るのでしょう?

これはいじわる問題でしたね。答えはbonjour となるので「ボンジュール」、切らずに1単語です。(複数の単語を組み合わせたフランス語と言っておきながら「-」もない1単語なので反則問題ですね…)
「bonjour」ボンジュールの中に使われている「bon」 ボンは「良い」、「jour」 は「日」や「日中」という意味なので英語の「Good morning」 グッドモーニングと同じような意味です。でも英語では「Good」と「morning」を分けて2単語にしているのに対し、フランス語では分けずに1単語になっています。(ちなみに「こんばんは」という意味の「bonsoir」ボンソワールも1単語です。)
ところでフランスには「さようなら」の表現がたくさんありますが、日中に別れる時には「良い一日を」の意味を込めて「Bonne journée」ボンヌ・ジュルネと言います。(bonjour ボンジュールを女性形に変えた表現です)。でもこちらは2単語扱いになり「ボンヌ・ジュルネ」と切ります。うーん、けっこう似た感じの単語ですがこっちはくっつけないんですね。「bonjour」ボンジュールは使用頻度が多いから特別扱いされてるんですかね?
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