フランス料理のフルコースって何?実はロシア式のサービス?

雑学コラム

この記事の内容まとめ

「コース料理」は複数の料理を順番に楽しむ食事。
フランスでは「フルコース」の料理数や構成に厳密な決まりがあるわけではない。

昔のフランスの提供方法は、料理を一度に並べる「フランス式サービス」
19世紀ごろから、料理を順番に提供する「ロシア式サービス」が広がった。

コース料理の一例 ※料理の種類や順番は、時代やレストラン、コースの内容によって異なります。

1.アミューズ「amuse-bouche」
2.オードブル「hors-d’œuvre」、前菜「entrée」
3.スープ「soupe」「potage」
4.メインディッシュ 「plat principal」
5.サラダ「salade」
6.チーズ「fromage」
7.デザート「dessert」
これに食後のコーヒーなど

この記事ではフルコースにまつわる面白い雑学やそれぞれの語源、由来を詳しく解説します。

料理を順番に楽しむ「コース料理」

「コース料理」は料理を順番に楽しむ

「フランス料理のフルコース」と聞くとごちそうがテーブルいっぱいに並んでいるところを思い浮かべる方もいるかもしれません。でも「フルコース」は「コース料理」なので「色んな料理が一度にいっぱい出る」ということは基本的にありません。

そもそも「コース料理」とはなんでしょうか?
「コース料理」は「前菜」とか「スープ」とか「メイン」など、複数の料理を順番に楽しむ食事です。(フランス語ではmenuムニュという言葉で表されることもあります。)
日本の定食などでは料理が一度に提供されることが多いですが、伝統的なフランスのレストランでは、順番に提供されるスタイルが多いです。

ただ日本でも会席料理とかだと料理が順番に出てくるので、会席料理は日本のコース料理と言えますね。

フランス式?ロシア式?

じゃあフランスは昔から伝統的に「コース」で料理を出していたのかと実は違います。
宮廷などでは18世紀くらいまではテーブルいっぱいに豪華な料理を並べるという形が主流でした。これは「フランス式サービス」と呼ばれます。

しかし19世紀ごろから料理を順番に提供する「ロシア式サービス」が増えてきて、現在のフランスではこのロシア式サービスに影響を受けた「料理を順番に提供するスタイル」が一般的になりました。

つまり「フランス料理のフルコース」は料理は「フランス料理」ですが提供方法は「ロシア式」ということですね。

コース料理の皿の種類

コース料理といっても品数や順番がはっきり決まっているわけではありません。
前菜とメイン(もしくはメインとデザート)だけのシンプルなコースもあれば、料理数のとても多い豪華なコースもあります。

コース料理の一例 ※料理の種類や順番は、時代やレストラン、コースの内容によって異なります。

1. アミューズ「amuse-bouche」
2. オードブル「hors-d’œuvre」
前菜「entrée」
3. スープ「soupe」「potage」
4. メインディッシュ 「plat principal」
5. サラダ「salade」
6. チーズ「fromage」
7. デザート「dessert」

これに食後のコーヒーなど

上の例は、現代ではだいぶボリュームのあるコースですが一般的には「前菜、メイン、デザート」でも十分満足できるコース料理になります。

「アミューズ」はお楽しみ?

正式な料理が始まる前にアミューズが出される場合があります。
アミューズは日本の「お通し」に少し似た「コース料理の前に出されることがある一口サイズの料理」で、正式にはamuse-bouche アミューズ・ブーシュ もしくはamuse-gueule アミューズ・グールと呼ばれます。(現在ではアミューズ・ブーシュ の方が一般的です。)

語源は動詞のamuser アミュゼ「~を楽しませる」と、女性名詞のboucheブーシュ「口」で、直訳で「口を楽しませるもの」になります。
ちなみに女性名詞のgueuleグールも「(肉食獣などの)口」という意味があります。

amuser アミュゼ はカタカナ語の「アミューズメント(楽しみ)」と同じ語源ですね。
フランス語だとamusement アミュズマン になります。

「オードブル」と「前菜」の違いと語源

「オードブルと前菜ってどう違うの?」と思われる方も多いかもしれませんが、実は現代ではそれほど使い分けられていません。
どちらも「メインのお皿より先に出てくる軽い料理」というイメージです。
特に決まっていませんが、例えばフォアグラとかエスカルゴ、スモークサーモンなどがよく前菜やオードブルに選ばれます。

オードブルはフランス語でhors-d’œuvreオル・ドゥヴル と言います。
この言葉を分解すると「hors」「d’」œuvreに分けられます。
horsオルは「~の外に」、「~をはずれた」という意味の前置詞。「d’」は「~の」œuvreウヴルは「作品」など。つまり直訳で「作品の外」になります。
昔はオードブルは添え物として独立して置かれることもあったため「主要な料理の外に置かれるもの」という意味でオードブルと呼ばれていたそうです。

前菜はフランス語でentréeアントレ。「入ること」「入口」などの意味がある女性名詞です。
「料理の入り口」ということでメイン料理の前に出されます。
現在ではコースの最初に出されることも多いですが、昔はスープなどよりも後で、メインの皿の直前に出されていたようです。

「スープ」と「ポタージュ」は違うもの?

コース料理としてスープが出されることもあります。
フランス語ではスープのことをsoupeスープもしくはpotageポタージュ といいます。
この二つも現代ではそれほどはっきり使い分けられてはいません。(どちらも「スープ全般」をさすことが多いです。)

日本では「ポタージュ」と聞くと「どろっとしたスープ」を連想するかもしれませんが、フランスでは「さらっとしたスープ」も含めて「スープ全般」をpotageポタージュ と呼びます。
potage ポタージュの potポは「鍋」とか「壺」などを意味する男性名詞なので、元々は「鍋で煮たもの」というイメージです。

「メインディッシュ」はお皿?

コース料理の主役はやっぱりメインディッシュ
フランス語ではplat principal プラ・プランシパルですが、単純にplatプラ と呼ぶことも多いです。
platプラ は「皿」「料理」を意味する単語です。つまり場合によってはお皿(plat)」というだけで「メインディッシュ」を表すこともあるということですね。
(日本語でも「ごはん」というだけでその食事全部を表すことがありますが、そんな感じですかね。)

メインディッシュは肉だったり魚だったり、その他(オムレツ、グラタン、パスタなど)だったりと色んな料理があります。豪華なコースだと複数皿でてくることもありますね。
(ちなみに肉はviandeヴィヤンドゥ、魚はpoissonポワソン と言います。)

「サラダ」はメインの後だった?

サラダはフランス語でsaladeサラドゥ。
サラダというと日本では軽いイメージですが、フランスではいわゆる「野菜だけのサラダ」の他に「チーズやベーコンが入ったサラダ」や「お肉やじゃがいもがたっぷり入ったサラダ」などボリュームのあるサラダもあります。
ただコース料理で言う「サラダ」はいわゆる野菜中心の軽いサラダのことです。

現代のレストランでは前菜としてコースの最初の方に出されることもありますが、伝統的なフランス料理のコースでは「重い料理の後に口をさっぱりさせる」などの目的でメイン料理の後に出されることが多かったようです。

「チーズ」

フランスの食事を語る上で欠かせないのがチーズ
フレッシュ、白カビ、青カビ、ヤギ、ハードなどさまざまな種類のチーズがあります。
プレートの上に何種類かのチーズが出されることもありますが、自分のお気に入りのチーズが出てきたときはテンションがあがります。

豪華なコース料理の場合すでにお腹はだいぶいっぱいになっているかもしれませんが、それでも食べたいのがチーズ。フランス人にはデザート用とは別にもうひとつチーズ用の別腹があるかもしれません(笑)

チーズはフランス語でfromageフロマージュ。 塩味の料理の締めくくりに出されます。

「デザート」の語源は食器を片付ける?

食事でお腹を満たした後はデザートで心を満たしましょう。
コース料理を締めくくるのはデザートです。ケーキやタルト、ムースやアイスクリーム、何が出てくるか心が躍りますね。

デザートはフランス語でdessertデセール。
語源は動詞のdesservir デセルヴィールですが、実はこの動詞は「~から食器を片付ける」という意味があります。
desservir デセルヴィールを分解すると「des-」servir セルヴィールに分けられます。
「des-」は(反対)(取り除く)(離す)などのイメージを持つ接頭辞でservir セルヴィールは「~に料理を出す」「~に仕える」などの意味を持つ動詞です。「~に料理を出す」の反対なので「~から食器を片付ける」という意味になるんですね。

食事の最後にテーブルを片付けた後に出される料理ということでdessertデセールという言葉につながっているようです。

この後にコーヒーや紅茶と言った飲み物が出てきてコース料理は終了です。

ラング・ド・シャ(猫の舌)、モンブラン(白い山)、ミルフィーユ(千枚の葉)などフランスのお菓子にはおもしろい名前がたくさんあります。
この記事で雑学と一緒にご紹介しているので是非ご覧ください。

フランスのお菓子のおもしろい語源・雑学一覧
フランスのお菓子やデザートのおもしろい由来・語源日本でよく聞くフランス語と言えばやっぱりお菓子の名前。フランスから来た多くのお菓子やデザートにはフランス語の名前がそのまま残っていますが、中には意外な語源があるものがあります。せっかくなのでそ…

結局フランス料理の「フルコース」とは?

さあ、コース料理について考えてきましたが結局「フルコース」とは何なんでしょう?
「フル」とつくくらいなので全種類の皿が出て来るコースのことなのでしょうか?

実はフランスでは「フルコース」に明確な定義はないそうです。
12皿出てくるような豪華なコースもあれば、「前菜」「メイン」「デザート」といった食事の一通りの流れを楽しめるコースを「フルコース」と呼ぶ場合もあります。

なので「フルコース」でもお皿の数や種類にこだわらず、みんなと楽しく会話しながらその料理の流れを楽しみましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました