ミルフィーユの由来 本当は「millefeuille」 ミルフイユ?

ミルフィーユはフランス語では「フィーユ」ではなく「millefeuille」 ミルフイユ。意味は「千枚の葉」になります。
パイ生地を「葉」になぞらえているようですが、実際のパイ生地は2000層を超える場合もあります。
この記事では「1000」や「葉」にまつわるフランス語の単語や表現もご紹介します。
ミルフィーユは「フィーユ」(女の子)じゃない?
パイ生地のサクサク感が美味しいお菓子ミルフィーユ。
日本ではミルフィーユと呼ばれていますがフランスでは「millefeuille」ミルフイユ と言います。
「mille」ミル は「千」を意味する数詞で、「feuille」フイユ は「葉」、「紙」、「書類」などの意味がある女性名詞です。
なので「millefeuille」ミルフイユ は直訳で「千枚の葉」になります。
フランス語で「fille」フィーユ は「娘」や「女の子」という意味の女性名詞です。日本語の発音のミルフィーユだと「千人の女の子」と勘違いされてしまうかもしれないのでお気をつけて。
「feuille」 フイユ は女性名詞なのに「millefeuille」 ミルフイユ は男性名詞?
あれ?待ってください。「feuille」フイユ は女性名詞なのになぜか「millefeuille」ミルフイユ は男性名詞になるんですね。
なぜ男性名詞になるのかは諸説あり、はっきりした理由はわかっていません。
ひょっとしたら「gâteau millefeuille」(ミルフイユケーキ) を略して「millefeuille」ミルフイユ なのかもしれません。(「gâteau」 ガト―は「ケーキ」などを意味する男性名詞です。)
間違えないよう気をつけましょう。
「millefeuille」 ミルフイユ には本当にパイ生地が1000層もある?
さてさっき「mille」ミル は「千」を意味する数詞と書きましたが、実は「たくさんの」という意味の誇張表現でも使われます。
(日本語の表現でも「千客万来」とか「万人」など「千」「万」を「たくさん」の意味で使ったりしますね。)
「millefeuille」ミルフイユ はパイ生地が葉っぱのように何層にも重なっているのでこの名前がついたと言われています。「でもさすがにパイ生地も1000層はないよね。たくさんの層っていう誇張表現だよね」と思われるかもしれません。
ちょっと計算してみましょう。
多くの「millefeuille」ミルフイユ はパイ生地3枚の間にクリームをはさんで作られます。
1枚のパイ生地はたいてい「生地を3つ折りにする」→「生地を引き延ばしてまた折る」という作業を繰り返して作ります。多くの場合この三つ折りを6回繰り返すので理論上は1枚のパイ生地の層は3×3×3×3×3×3=729層になります。
このパイ生地を3枚重ねると729×3=2187層になってしまい単純計算では1000層を軽く超えてしましました。
もちろん作り方によって層の数は変わってしまいますが、少なくとも「千枚の葉」というのは誇張表現ではなさそうですね。
「mille」がつくフランス語
「ムカデ」の由来 フランス語では「千本の足」?「mille-pattes」ミル・パットゥ
せっかくなので「mille」ミル がつく単語をいくつかご紹介しましょう。
まずは「mille-pattes」ミル・パットゥ、「ムカデ」を意味する男性名詞です。
(「patte」パットゥは「足」という意味の女性名詞です。)
以前の記事でも取り上げましたが日本では「百足」と書くのに対し、フランスは「千の足」と表現されるんですね。足の数は種類によって違いますが30本~354本くらいらしいので「千」はだいぶ盛っていますね(笑)
以前の記事では「100」や「1000」にまつわるフランス語の面白い表現をご紹介しているのでこちらの記事もぜひご覧ください。

すごく感謝するときは「1000回ありがとう」?
他にも「mille fois」 ミル・フォワ という表現があります。
「fois」 フォワ は「~回」とか「~度」のように回数などを意味する女性名詞です。(「~倍」の意味もあります。)
ということで「mille fois」 ミル・フォワ は直訳で「1000回」の意味になりますが「何度も」という表現でよく使われます。
例えばすごく感謝している時には「Merci mille fois !」メルシー・ミル・フォワ と言ったりします。(「Merci」メルシーは「ありがとう」という意味です。)
直訳で「1000回ありがとう!」となりますが「何度お礼を言っても足りない」のようなイメージでしょうか。
他にも「Je te l’ai dit mille fois !」ジュ・トゥ・レ・ディ・ミル・フォワ で「私は君にそれを何度も言った」つまり「何回も言ったでしょ」みたいな表現になります。
「feuille」がつくフランス語
「財布」の由来は「紙を持ち運ぶもの」?「portefeuille」ポルトフイユ
「portefeuille」ポルトフイユ は「財布」という意味の男性名詞です。
動詞の「porter」ポルテ には「~を持つ」、「~を持って行く」などの意味があります。
ですから「portefeuille」ポルトフイユ は直訳すると「紙を持ち運ぶもの」となります。
「portefeuille」ポルトフイユはもともと手紙や書類、紙幣などの紙類を入れるケースでした。
現在では紙幣やカードを入れる用途が一般的になったので「財布」という意味で使われています。

「feuille」フイユ が「葉」と「紙」の意味を持つ理由
フランスでは「紙」のことを「feuille de papier」 フイユ・ドゥ・パピエ 、もしくは単に「feuille」と呼びます。
ただ「feuille」 フイユ はもともと「葉」という意味でした。どうして「紙」のことも指すようになったのでしょう?
「feuille」 フイユ の語源である「folium」はラテン語で「葉」を意味します。
諸説ありますが「葉」は1枚、2枚と数えられる薄い形状をしているため、この形状に似ている薄い紙なども「folium」と呼ばれるようになったそうです。
「feuille」 フイユ はこの「folium」を由来としているので、同じように「葉」や「紙」といった意味を持っているそうです。
ちなみに少しややこしい話ですが「紙」という素材や物質を表したい場合は「papier」パピエ を使い、「1枚の紙」や「用紙」と言いたいときは「feuille」 フイユを使うことが多いようです。
わたしがフランスのマンガアトリエで子供たちに教えていたときも、マンガを描く紙が欲しいとき子供たちは「une feuille s’il te plaît 」(紙ちょうだい)と言っていました。
あれは「マンガを描くための用紙」という意味で「紙」を「feuille」 フイユ と表現していたんですね。
さあ今回はミルフィーユの語源から「mille」 ミル 「1000」に関する言葉と「feuille」 フイユ「葉」「紙」に関する言葉を考えました。
最後まで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます!「Merci mille fois !」メルシー・ミル・フォワ!
さてミルフィーユと同じく日本で有名なお菓子「ラングドシャ」。フランス語で「猫の舌」という意味ですが、どうしてこんな名前がついたのでしょうか?
またフランス語では「猫に舌をあげる」という表現もあります。いったいどういう意味なのか、気になった方はこちらの記事もご覧ください。



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